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第16部分

好き≠恋(日文版)-第16部分

小说: 好き≠恋(日文版) 字数: 每页4000字

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野菜室を開けてにんじんが入っているのを見て、健人は肉じゃがを作ることにした。肉じゃがはそんなに時間がかからないし、材料もありきたりなものが多い。母が得意としている料理で、よく食卓にも出ているが、気にしている余裕は無かった。
 たまねぎとにんじん、ジャガイモの皮を剥いて大きく切る。フライパンに油を引き、牛肉を炒める。ある程度、火が通ってきたら水を入れて、牛肉から出る灰汁を取ってからにんじんを投入する。それからジャガイモとたまねぎを入れてから、酒、みりん、砂糖、しょうゆを入れて味を眨à搿R贿Bの作業は手馴れていて、料理自体真面目にするのは久しぶりだったが、要領よく出来た。煮込んでいる間に味噌汁を作ろうと、片手鍋を手を伸ばす。誰が置いたのか分からないが、片手鍋は棚の一番上に置かれていて健人の手は届かない。それでも台を使ってとりたくない健人は、背伸びをする。
「……くっ」
 あと一歩で届きそうだと言うのに、その差は中々縮まらない。作業台に手を付いて体を押すように伸ばすが、指先が取っての先に届くだけで取っ手が掴めない。諦めようとしたときに、後ろから手が伸びてきて鍋の取っ手を掴んだ。
「これ?」
 振り向くと真後ろに片手鍋を持った歩が立っていた。距離は近く、間近にいたことに驚きすぎて反応が出来なかった。歩は頭にタオルを仱护皮い啤⑶绑姢樯伽匪韦盲皮い俊K獾韦肓激つ肖妊预Δ韦稀ⅳ长ρ预Δ长趣蜓预Δ韦坤恧Δ纫姷边‘いなことを考えてしまった。
 歩は何も言わない健人に鍋を突き付け、「これ、使うんでしょ」と言い、受け取る様に催促をする。無言で受け取った健人を見て、視線をコンロへ向けた。フライパンの中に入っている具を見つめて、今日の夕飯を当てる。
「今日は野菜炒め?」
 ものの見事に外した歩を見て、健人は息を吐きだした。どこをどう見たら、これが野菜炒めになるのか教えてほしいぐらいだ。呆れたように「……肉じゃがだよ」と言うと、歩は「……また間摺à俊工瓤嘈Δい筏俊
「景子さんが作る肉じゃが、美味しいよね」
「……でも、なんか足りない。母さんの肉じゃがは」
 健人は鍋に水を入れながら、聞かれたことは答えようと思い、返事をしていた。母が作る肉じゃがはマズイわけではないが、いつも何かが足りないと思っていた。何気なくそう言うと、歩は「ちゃんとした肉じゃがってどんな味がするんだろう」と小声で言った。それが聞きとれなかった健人は歩の顔を見たが、それ以上追及できなかった。フライパンを見つめる目は、少しだけ悲しそうで、触れてはいけないと言っているようだった。
「味噌汁は何にするの? 手伝えることあるなら、手伝うけど」
「じゃぁ、テ芝胧盲い泼螭润绯訾筏啤
「ん、分かった」
 先ほどの悲しそうな顔など微塵も見せずに、歩は笑いながらキッチンを出て行った。こんな風に、自然と話が出来る日がくるなんて、思いもしなかった。これが普通なんだろうが、どうも気になってしまい、上手く言葉が出せない。昨日までは険悪だったのに、あんなことがあっただけでこうも変わってしまうのだろうか。それもこれも、歩が話しかけてくるから、健人は答えているだけだ。歩の中で何か変化があったのだろうか。テ芝毪蚴盲い皮い霘iを少し見つめて、健人は目を逸らした。
 歩だけが変わったわけではない。抱きしめられてから、健人も少しずつ、変わっていた。
 ジャガイモに火が通っているのを確認してから、健人は味見をした。自分が作った肉じゃがを食べていると、やはり母の肉じゃがは何か物足りないような気がしてたまらなかった。作っているところを隣で見ているが、全てを見ているわけではない。何かを入れ忘れているのだろう。ろくに料理などしてこなかった母のことだから、作り方なんて忘れてしまっている。その割に、健人の助言を聞こうとしない。それはそれで母らしいと、健人は思っていた。
 皿に肉じゃがをよそって、お椀に味噌汁を入れていく。すでに茶碗にはご飯がよそってあって、歩がテ芝毪剡んでいる。今日の夕飯は肉じゃがとサラダだ。味噌汁の具は、もやしとわかめだ。乾燥わかめがあったので、それを水に浸して戻し、別の容器に絞って移していた。一つまみ分、わかめを掴んでお椀の中に入れる。箸で少しかき混ぜてから、味噌汁をテ芝毪貋Kべた。
 歩はすでに席に付いていてテレビを見ていた。健人が持って来たのを気配で感じると、目の前に置かれた味噌汁を見つめて「わかめともやし?」と健人に確認した。
「そう」
「へぇ、もやしの味噌汁とか初めて見た」
「……母さん、出してなかったっけ」
 もやしの歯ごたえが好きで健人は良くもやしのみそ汁を作っていた。再婚してからは母が作る様になったせいで、あまり口にしなくなったが、それがいつからだったのかは覚えていない。味噌汁だって、この前の夜、久しぶりに作ったのだ。手伝いをすることは多々あるけれど、味付けはすべて母がしていた。この前はたまたま、手が空いてなさそうだったから健人が味付けをしただけだった。
「作って無かったと思うけど。さ、食べようよ。冷める」
 会話を中断させるように歩が箸を掴んだ。健人はまだキッチンに置きっ放しにしている肉じゃがとサラダを持って、ダイニングテ芝毪丐葢搿¥い膜狻⒛袱雀袱瑢澝妞俗盲皮い啤⒔∪摔葰iが隣同士だ。二人が居ない今、果たして二人並んで座る必要があるのだろうかと考えてしまい、足が止まった。この広いリビングの中、二人が隣に並んで座るのは奇妙に感じる。そう思ってしまったら、動くことが出来ずに、その場に立ち往生した。
「……健人? 食べないの?」
「え、あ……、うん……」
 そんな健人を訝しんだ歩が、怪訝な目で話しかけてきた。箸と茶碗はいつもの席に並べられている。ここでもし、健人が歩の対面になど座れば、変な意識をしていることに気付かれる。そんなことをしてしまえば、同じことの繰り返しの様な気がして、健人は皿をテ芝毪酥盲葰iの隣に座った。
 右隣にいる歩は、リビングの奥にあるテレビを見つめていた。番組は丁度、心霊写真特集をやっていて、出演者たちは眉間に皺を寄せながら映し出された写真を見ていた。そんなものに全く興味が無い健人は、皿に肉じゃがを取り食べ始める。作ったのは久しぶりだったが、味は悪くなかった。昔に培った料理の腕は、落ちていない。
「健人の作る肉じゃがは、ちゃんとした味がするんだね?」
「……は?」
 急に話しかけられ、何を言っているのか分からなかった健人は歩を見る。
「景子さんが作る肉じゃがは何かが足りないんでしょう? それが分かるってことは、健人はちゃんとした肉じゃがが作れるってことだよね」
 そう言われてから、この肉じゃがはちゃんとした味なのだろうかと考え込んだ。健人もレシピを見ながら肉じゃがを作ったりしていたが、それがちゃんとした正規の肉じゃがなのかどうかは分からない。考え込んでいる間に、歩は肉じゃがを口にしていたようでもぐもぐと口を動かしていた。
 どんなことを言われるのか、少しだけ緊張した。喉が動いて、飲みこんだのが分かった。
「ん、どっちが本物の肉じゃがか分からないけど、健人のが美味いと思うよ。俺は」
 素直に褒められ、健人は反応が出来なかった。目を逸らして、健人は肉じゃがを口の中に突っ込む。ジャガイモはよく味をしみ込ませていて、甘みの後に醤油のしょっぱい味が広がる。何度か咀嚼してから飲みこんで、母の肉じゃがに何が足りないのかが分かった。
「あぁ、眨读先毪欷腠樂㈤g摺à皮毪螭馈
 独り言のように呟くと、歩が「え?」と健人に聞き返す。
「母さん、多分、醤油から入れてるんだよ。塩分を先に入れると、食材が糖分をあまりしみ込ませないんだ。普通、煮ものとか作る時、酒、みりん、砂糖を入れてから醤油を入れるんだけど、母さんのことだから醤油から入れてるんだろ。だから、母さんの肉じゃがはしょっぱい」
「……なるほど。確かに景子さんが作る肉じゃがはしょっぱいね。肉じゃがってそんな味なのかと思ってた」
 健人の言ったことに迹盲筏繗iは、もう一度、皿に仱盲骏弗悭ぅ猡蝮绀寝猡呖冥丐冗ぶ。その味に満足したのか、歩は食べながら何度も「美味い美味い」と言って箸を進めている。しかし、褒めてもらったことや、迹盲筏郡长趣瑜辘狻iの言った一言に、健人は疑問を抱いた。
「お前、あんまり肉じゃが食べたことないの?」
 代表的な家庭料理だと言うのに、しょっぱい肉じゃがが肉じゃがだと思っているというのは、どういうことなのか健人には分からなかった。疑問に思ったまま尋ねてみると、歩の顔から笑みが消えた。
「……食べたことぐらいはあるよ」
 素気ない返事に、健人は焦りにも似た感情を覚える。聞いてはいけないことを聞いてしまったんだろう。でも、歩のことを全然知らない状態で、どこが地雷なのかも健人には分からない。動揺しているのを隠すように、健人はお椀を手に取った。
 しゃきしゃきとした歯ごたえが好きなもやしを食べていても、気分は落ちて行く一方だった。
 いつの間にか、歩の機嫌も直っていて、変に気を使うのが馬鹿馬鹿しくなっていた。こんなにも気分屋だったのかと、昼食を作りながら健人は歩のことを思い出す。気分屋かどうか知る前に、健人は前々から歩をしっかり見ていなかった。だからこそ、気分屋かどうかなんて気づかなかったのだ。それに、5月の中旬に言われた「大嫌い」と言う言葉が、最近よく頭の中によぎる。嫌いと言ったら、大嫌いと言い返された。嫌いだと言ったのに、こうして昼食を作ってやってることも可笑しく感じるし、健人に「カレ鳏盲皮琛工趣姢い工搿iも可笑しく思った。
 しかし、リクエスト通り、作ってしまう。カレ郅悉盲郡椤H猡袱悚蜃鳏盲渴巢膜尾肖辘ⅳ盲郡椤W苑肿陨恧司槐窝预ぴUをしながら、健人は鍋をかき混ぜていた。
「夏って言えば、カレ坤瑜汀
 匂いが漂ってきたのか、リビングから歩が声をかけてくる。その声に気づいていたが、健人はあえて返事をしなかった。返事をするほどのことでもないし、いちいち、声を発するのも少し面倒だった。
「あと、どれぐらいで出来そう? 俺、皿とか出すよ」
「15分ぐらい」
 健人はそこで鍋の火を止めて少しだけ時間を置く。冷蔵庫の中から野菜を取り出して、ツナの缶詰を開ける。小さいボ肷悉蚊螭衰欹骏埂⑤喦肖辘筏骏濂Ε辍⒂亭蚯肖盲骏磨胜騺せてカウンタ酥盲い俊
 それからもう一度、鍋に火をかけ、ぐつぐつと音を立てたところで火を止め、ご飯のよそってある皿にカレ蛄鳏忿zんだ。簡単な昼食であるが、健人は出来るだけ手を抜かなかった。作ろうと思えば15分ほどで完成してしまうけれど、野菜と肉はしっかりと炒めたし、隠し味を入れたりなど味にもこだわった。カレ筏mまれていないが、栄養分も考えてサラダも絶対に出す。手の込んだことをしてしまうと張り切っているようで腹が立つが、根付いてしまった癖は抜けず、手を抜けないのが現状だった。
「ガンガンにク椹‘かけた中でカレ长伽毪蚊牢钉筏い瑜汀
「コタツでアイスと同じだな」
 健人が素っ気無く言うと「コタツにアイスも美味しいよね」と笑う。どうして、こんなに態度が変わったのか健人は理解できな

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